森寛斎自筆『桃林閑居之図』掛軸(山元春挙極箱)

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桃林に佇む藁屋から人物が静かに景色を眺めている様子です。柳が垂れ外はしとしとと雨が降っている様子が名手寛斎らしい高い技術でバランスよく瀟洒に描かれております。落款の『甲子首夏寫寛斎』より甲子(元治元年→1864)の首夏(初夏)に描かれたことが判ります。箱は寛斎の門下山元春挙により蓋表に『森寛斎翁真蹟桃林閑居之図 後学春挙識(印)』と真筆であることを極め、署名されております。軸先は人工のものではなく天然の素材が使用されております写真⑫。目立った汚れやシミはございませんが、全体的に若干の巻きジワ、表装の上下の「上」左上に極小さいシミがございます写真⑮。また巻いた状態で裏側の絹が少し剝がれております写真⑯⑰。描かれてから160年経っておりますので経年変化とお考え下さい。

長さ124㎝ 幅67.8㎝(表装を含む)

紙本。極箱。軸先(天然材)。二重箱。

美術家名鑑評価額700万円。

▢森寛斎(もりかんさい)
文化11年(1814)~明治27年(1894)
絵師。円山派。帝室技芸員。京都府画学校教授。長州藩士石田伝内道政の三男。22歳の時、大坂に出て徹山に師事。25歳の時、見込まれて徹山の養子になり、円山派の画風を明治時代に伝えた。塩川文麟歿後、如雲者の代表に推され、多くの門人を養成した。京都に住み、幕末には勤皇の志士と交わった。代表作『松間瀑布』『赤壁の図』『月前葡萄り栗鼠図』『楠木正成像』『京都名所四季図屏風』

▢山本春挙(やまもとしゅんきょ)
明治5年(1872)~昭和8年(1933)
絵師。滋賀。帝室技芸員。帝国美術院会員。京都絵画専門学校教授。明治16年に野村文挙、同19年に森寛斎の門に入る。同年、京都青年絵画研究会に「呉孟」「菊に雀」を出品、一等褒章を受ける。山水、花鳥画を得意とする。門下に川村曼舟、小村大雲、山本倉丘らがいる。

【参考文献】
落款花押大辞典 淡交社
美術家名鑑 美術倶楽部

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カテゴリー:ホビー・楽器・アート>>>美術品・アンティーク・コレクション>>>絵画
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